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「ゼロの使い魔」はヤマグチノボルによるライトノベル。イラストは兎塚エイジ。 MF文庫J(メディアファクトリー)より2004年6月から刊行。既刊25巻(本編20巻+外伝5巻)。 略称は「ゼロ魔」「ゼロ使」。 MF文庫Jの看板作品。漫画、アニメ、ゲームなど多くのメディアミックス作品がある。2011年2月時点の売り上げ部数はシリーズ累計450万部。 著者が榊一郎に対して「三銃士が元ネタ」と明言しており、登場人物や物語内で発生する事件などの多くを『ダルタニャン物語』から取っている。それゆえ登場人物名も、ブルボン朝期の人物にちなむものが多い。 筆者のヤマグチノボルは2012年9月の段階でラストまでのプロットを完成させたと述べていたが、20巻あとがきで表明していた残り2巻を残して2013年4月4日に亡くなった。 あらすじ (MF文庫Jライブラリーより) 「あんた誰?」――才人が目を覚ますと、可愛い女の子が才人を覗きこんでいた。 見回すとあたりは見知らぬ場所で、魔法使いみたいな格好をしたやつらが、才人と女の子を取り囲んでいた。その女の子・ルイズが才人を使い魔として別の世界へ「召喚」したらしい。訳がわからず面くらう才人に、ルイズは契約だと言って、いきなりキスしてきた。俺のファーストキス! と怒る間もなく、手の甲にヘンな文字が浮かび、才人は使い魔にされてしまう。仕方なく、ルイズとともに暮らしながら、元の世界に戻る方法を探すことにした才人だが……。才人の使い魔生活コメディ! テレビアニメ 原作とは設定や、物事が起きる時期などで相違点がある。 第4期は原作が未完であった為、オリジナルエピソードで完結している。 ゼロの使い魔 第1期。くぎゅう。 放送期間は2006年7月から同年9月。全13話。 ゼロの使い魔~双月の騎士~ 第2期。読みは「ゼロのつかいま ふたつきのきし」。 放送期間は2007年7月から同年10月。全12話。 ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~ 第3期。読みは「ゼロのつかいま プリンセッセのロンド」。 放送期間は2008年7月から同年9月。全12話+TV未放送1話(DVD収録)。 ゼロの使い魔F 第4期。シリーズ完結作。 原作者のヤマグチノボルがシリーズ構成を担当。タイトルの"F"は「4(フォー)」「ファイナル」「フォーエバー」などのいろいろな意味が込められている。 放送期間は2012年1月から同年3月。全12話。 既刊情報 ゼロの使い魔 初版発売日 ISBN 1 ゼロの使い魔 2004年 6月25日 ISBN 978-4-8401-1105-8 2 ゼロの使い魔 2 風のアルビオン 2004年 9月25日 ISBN 978-4-8401-1144-7 3 ゼロの使い魔 3 始祖の祈祷書 2004年12月25日 ISBN 978-4-8401-1196-6 4 ゼロの使い魔 4 誓約の水精霊 2005年 3月25日 ISBN 978-4-8401-1236-9 5 ゼロの使い魔 5 トリスタニアの休日 2005年 7月25日 ISBN 978-4-8401-1290-1 6 ゼロの使い魔 6 贖罪の炎赤石(ルビー) 2005年11月25日 ISBN 978-4-8401-1449-3 7 ゼロの使い魔 7 銀の降臨祭 2006年 2月24日 ISBN 978-4-8401-1501-8 8 ゼロの使い魔 8 望郷の小夜曲(セレナーデ) 2006年 6月23日 ISBN 978-4-8401-1542-1 9 ゼロの使い魔 9 双月の舞踏会 2006年 9月25日 ISBN 978-4-8401-1707-4 10 ゼロの使い魔 10 イーヴァルディの勇者 2006年12月25日 ISBN 978-4-8401-1766-1 11 ゼロの使い魔 11 追憶の二重奏 2007年 5月25日 ISBN 978-4-8401-1859-0 12 ゼロの使い魔 12 妖精達の休日 2007年 8月24日 ISBN 978-4-8401-1900-9 13 ゼロの使い魔 13 聖国の世界扉(ワールド・ドア) 2007年12月25日 ISBN 978-4-8401-2110-1 14 ゼロの使い魔 14 水都市(アクイレイア)の聖女 2008年 5月25日 ISBN 978-4-8401-2319-8 15 ゼロの使い魔 15 忘却の夢迷宮(ラビリンス) 2008年 9月25日 ISBN 978-4-8401-2418-8 ゼロの使い魔 15 忘却の夢迷宮DVD付き特装版 2008年 9月25日 ISBN 978-4-8401-2419-5 16 ゼロの使い魔 16 ド・オルニエールの安穏(ティータイム) 2009年 2月25日 ISBN 978-4-8401-2664-9 17 ゼロの使い魔 17 黎明の修道女(スール) 2009年 6月25日 ISBN 978-4-8401-2807-0 18 ゼロの使い魔 18 滅亡の精霊石 2010年 1月25日 ISBN 978-4-8401-3153-7 19 ゼロの使い魔 19 始祖の円鏡 2010年 7月23日 ISBN 978-4-8401-3454-5 20 ゼロの使い魔 20 古深淵の聖地 2011年 2月25日 ISBN 978-4-8401-3821-5 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 初版発売日 ISBN 1 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 2006年10月25日 ISBN 978-4-8401-1726-5 2 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 2 2007年10月25日 ISBN 978-4-8401-2058-6 3 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 3 2009年 3月25日 ISBN 978-4-8401-2727-1 烈風の騎士姫 初版発売日 ISBN 1 烈風(かぜ)の騎士姫 2009年10月23日 ISBN 978-4-8401-3053-0 2 烈風の騎士姫 2 2010年 3月25日 ISBN 978-4-8401-3246-6 参考 「ゼロの使い魔F」スペシャル対談 - TVアニメ ゼロの使い魔F オフィシャルウェブサイト http //www.zero-tsukaima.com/cast_interview.html
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よく分からない状況だが、とりあえずなんだか素晴らしくヤバイ気がした。 何故って人間が飛んだりする訳無いからだ。そりゃなんか飛びそうな奴らがイタリアにはいたけどさ! そこで私は行く宛もないが逃亡を試みた。が、やっぱり銀髪に捕まった。私を抱えると奴は先を行く小娘の後ろを歩き出した。 何処へ行くつもりだ。離せ!寄生してた分際で宿主に背くか! 私はもがいたが、所詮亀は亀だ。勝てる訳がなく、自分の力では奴から逃れられないのを悟った。 -何?役立たず独身銀髪眼帯男から逃げられない?逆に考えるんだ。『寝ちゃえ』と考えるんだ- …神の声に従い、抵抗するのを止め睡眠態勢に入りそのまま寝ることにした。よくよく考えてみれば、餌が食えればそれでよかろうなんだな……どうせ……今……やることも…………無い………しな………… 目を覚ますと何処かの部屋に連れて来られたようだった。ちょっと前、あのコロネやワキガ男達が暮らしていた部屋に似ている気もするが、やっぱり違う。 大体こんなベッドなんかなかったし。そのベッドの上に例の小娘が、椅子に奴が座っていた。 私が見るまでずっと話していたらしく、小娘は欠伸をした。どうやら眠くなったらしい。 …寝る?確かにベッドはある。しかし、この部屋には一つしかない。まさか恋人じゃないんだし一つのベッドに二人で、なんて事はないだろう。 かと言ってソファなんて物も無い。ということは…まさか… 私は奴を見た。奴はこっちを見ていた。こいつ、私の中で寝る気だ! -私にも拒否権があっても構わないはずだ。というか見返りをもらう資格があってもおかしく無いと思う。つーかよこせ。利用させてる私に感謝しろ。 しかしそのような声が届く訳無く、勝手に利用しやがった。この寄生虫が。 何か一悶着あった後、奴は私の中で熟睡しだしたが、小娘の方はベッドの中で震えていた。何かぶつぶつ言っているので近寄ってみる。 …詳しくは聞き取れなかったがどうやら何かあの役立たずに怒っているらしい。 しばらくすると小娘はそのまま寝てしまった。寝間着に着替えろよ、とつっこみつつ、私は床で寝る気になれないのでのそのそと動きだし、 小娘のベッドの上に載った。そこまで行くとまた睡魔が襲ってきたので、再度寝ることにした。 -別に私以外の誰かがどうなろうと知った事じゃあない。私は私の生活を営むだけだ。…ただ、感謝とかはされたいがな…。つかしろ。 うとうとしながら、そう考えた。 To Be Continued...
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「ワルド、単刀直入に聞こう。なぜ、ウェールズを殺した?敗戦は確実な以上、貴様らがその気になれば 殺すのは簡単なはずだ」 ワルドは首をかしげる。 「言ってることがよくわからないな、その気になったからここで殺したんじゃないか」 「ならば言い換えよう、なぜ戦士を戦いで死なせてやらなかった?」 ワムウのかつてない気迫に、ルイズは鳥肌がたつ。 「なにを言っているんだね君は、これは決闘でも訓練でもない。戦争だ。アルビオンの腐りきった王族の 名誉など考えているのかね?『目的のためには手段を選ぶな』、これがレコン・キスタの標語でね、 頭から潰せば崩壊も早いと考えればこんなのは必然さ。もちろん、国王も僕の献上した とびきり上等なワインを飲んで、そろそろ部屋で遺体になっている彼が見つかる頃だろう。 彼らは死ぬために戦っている。そんなオークのような相手に真っ正面から戦うなど愚の骨頂だ。 むしろ、死ぬと決まった相手を早めに殺し、僕たちの兵を生かす。これが善い事でなくて なんだというんだね?中立の視点から見てみればわかることさ」 「戦士の名誉と、名誉など考えないものの命、どちらが軽いかは明白だ」 「価値観の相違、というやつかな、もっとも君と合わせるつもりはないしね。が、喜びたまえ、 君は風のスクウェア、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドとの戦いの中で死ねるのだからね」 ワムウが口の端を歪める。 「俺を殺すだと?笑わせるな、人間が。波紋も使えない、戦士としての誇りもない、そしてこの 風の流法の使い手に風のスクウェア、だと?年季の違いをわからせてやろうか」 「確かに君は強い、強いがしょせんは力だけのオークにすぎないね。そこらの風のスクウェアになら勝てる かもしれないが、僕は『立ち向かうメイジ』だ。いくら、力があろうとも運命には勝てない。 僕は運命に立ち向かい、過去に立ち向かい、聖地に立ち向かい、全てを乗り越える能力を ブリミルから授かったのだ!忠告してやる、『遊び』のときと同じに思わない方がいいぞ」 そう言って、ワムウは五体に分身する。 「あれが奴の能力とやらか」 「違うわ、あれは遍在。風の魔法よ。能力とやらがあるなら、たぶん他のはずだと思うわ」 「おでれーた、自由自在に動かせる遍在四体とは滅多にみれねーぜ相棒。おそらくあいつらも同じように 魔法を放ってくる筈だぜ。ただ、おれっちの勘だが、ただの遍在じゃあない気がするぜ」 ワムウはデルフを鞘に押し戻し、スレッジハンマーを構え、ルイズと一緒に柱の影に隠れる。 「そう、集団戦で心強い火や巨大なゴーレムを生み出す土、治療から工作まで行なう水をさしおいて、 風が最強と言われる所以は…確か…」 ワルドと遍在は、風の刃を続けざまに放ってくる。 同時に撃たず、一定の間隔をあけ、途切れないように撃ち、風の弾幕を作る。 何発か隠れている柱に当たり、柱が軋み始める。 「そう、狭い場所での決闘こそ、風のメイジの独壇場。昔は貴族同士の決闘が重視されていたから 風が最強という名誉を受けていたって習ったけれど…」 「なるほど、この狭い室内で二人相手にするにはまさにうってつけというわけか。 だが、惜しいな、ワルド。俺も決闘は得意でな」 ワムウはデルフを左手に持ち、言うが早いか、風の弾幕へ突っ込んでゆく。 スレッジハンマーとデルフを盾にし、遍在の一人に飛び掛かる。 あっというまに一体の遍在のみぞおちにスレッジハンマーの一撃を叩き込み、遍在は床にくずれる。 飛び掛かった勢いで近くの柱に転がり込み、振り返って次の攻撃に備える。 数カ所血が出ているものの、柱の男の治癒力でふさがっていき、ほとんどダメージはない。 「遍在が五体揃っているもっとも有利なときに仕留められんとは、あれだけ豪語した割に聞いてあきれるな、 一人ずつ、詰将棋のようにかたをつけてやろう」 ワルドは三体をワムウの方向に向け、エアハンマーを放ち始める。 鋭さはないが、風の槌であるゆえ、ワムウにたとえダメージがなくともよろめかせることはできる、 とみて呪文を変えてきたのだろうか、同じように三体は交互に呪文を放つが、人数が減った分間隔が開いている。 残りの一体はルイズのいる柱へ向かう。 ワムウは、柱を飛び出し、デルフをルイズに向かう遍在に投げつける。 「久しぶりに使ってもらえると思ったらこんな使い方かあああ相棒うぅーッ!」 飛んできたデルフを遍在は魔法で弾く。 振り向かせ、ルイズに向かうまでの時間を稼ぎ、その間にワムウは風の槌の隙間を突破し、 遍在に飛び掛かり、飛び蹴りを食らわせる。 そうなる、筈だった。 ワムウは誰もいなかったはずの空間、先程遍在を一体倒したはずのあたりから 『ライトニング・クラウド』を背後から受け、倒れ、周りに遮蔽物のないあたりの壁に『エア・ハンマー』で 叩きつけられる。 ルイズも同様に、遍在からエア・ハンマーを食らい、同じ場所に吹っ飛ぶ。 「だから言っただろう、力じゃぼくには勝てないとね」 「貴族派は約束を守らず、先程攻撃を開始しました!」 「国王、崩御ォーーーッ!」 「ウェールズ皇太子様、ワルドの裏切りにかかって戦死いたしました!」 「『イーグル』号、貴族派『テメレイル』号の砲撃を受け、撃破されました!」 正門の手前、アルビオン王党軍は大混乱の最中であった。 守るべきはずの者が乗った『イーグル』号が無残にも撃沈され、泣き崩れる者。 国王及び皇太子が立て続けに亡くなったと聞かされ、自暴自棄に突撃し矢と銃弾と魔法の餌食となる者。 どうすればいいかわからず、オロオロとする者。 友人の死体を抱え、半狂乱になる者。 もし今敵が雪崩込んでくれば、まともに応戦もできず皆殺されるだろう。文字通り、虐殺、殲滅、崩壊だ。 「小隊長は自分の部隊をまとめよ!小隊長が戦死している場合若い番号の分隊長が小隊長を努めよ! まとめた後は応戦を開始し、各隊長は部隊の生存者数をオールド・パリーに報告した後指揮に移れ! あと数十分間、正門前の堀の端を死守せよ!」 シャチがそう叫び、彼の正規兵・水兵・メイジ混成部隊が応戦を開始する。 「ギーシュ、間違ってもゴーレムなんか作らないでよ、どうせ一分も持たないんだから精神力は 温存しときなさいよ。代わりにバリケードかなんかでも錬金しなさいよ 「自分の能力くらいわかってるさ、今バリケード作り始めてるから、数十秒待ってくれ」 「野郎ども、突撃してーのはわかるが堪えろよ、ただあそこに一歩でも入った奴は 容赦しねえで一人残らず止めやがれ」 「使えるものは好きに持ってってください、全部5エキューで構いませんよ。 …釣りはいらないって、じゃあアフターサービスです、この地下水ってナイフもおまけしますよ。グッド!」 城中から、部屋中から、船中から、港中から、ダービーが叩き売りしているわけのわからぬ珍武器ですらも、 武器として使えそうな者は片っ端から集め、とりあえず動けそうな奴に手当たり次第配っていく。 正門前はキュルケとタバサを他のメイジや銃兵、射手が援護する。 「シャチさん、できるだけ効果的に足止めのためだけに使って精神力は温存してるけど、 いつまでも持たないわよ!」 「わかってる、わかってるがもう作戦もなにもない、なんとか堪えてくれとしか言えない。すまんな、 こんな指揮官で。代わりに援護する銃兵を増やす、ミスタ・ダービー、銃二十丁、釣りはいりませんので そこの兵に持たせてください、持った兵はバリケードの内側から彼女らの援護にあたれ! オールド・パリー、大方の生存者報告は終わりましたので港の方の指揮に移ってください、こちらは 私が受け持ちます。…あと、数十分なんだ…どうか、皆頑張ってくれ…」 ありったけの飛び道具で城の上から、横からも足止めの威嚇をするために攻撃する。 正門上にある部屋の窓から何人かの兵士とともにギーシュが攻撃する。 ドットのためキュルケやタバサほど威力があったり正確な攻撃はしかけられないが、 多少窓枠が壊されても修理ができ、また攻撃はドットであるゆえ精密さはあまりないが、 上から石の礫が落ちてくるため、なかなか派手で威嚇には十分であった。 ギーシュは一息ついて、祈るようにつぶやく。 「もし、ワムウが来れれば…早く終わるかもしれないな」 「さてどうした、ワムウ君。あの程度の電撃じゃ死はおろか、気絶もしてくれないんだろう? 僕は、君を高く評価している。…できれば、ルイズと一緒にレコン・キスタにきてくれれば 頼もしかったんだが、そうはならない以上、念入りに殺させてもらおう」 ワルドの遍在三体が、ルーンを唱え始める。 周りに遮蔽物もなく、ワムウの射程は見切ったのだろう、三体は一斉に雷撃を放とうとする。 「ワムウ、一端逃げるわよ」 「…どこにだ?」 ワムウは舌打ちするが、さすがにあれだけの攻撃を真っ向から受ける気にはならなかったらしい。 「決まってるじゃない」 ルイズは杖を壁に振り、壁に爆発で穴をあける。 「わざわざ相手の得意な場所で戦うことないでしょ、どうやって外に出ようと思ってたけど、 好都合なところにこんなところに飛ばしてもらったからね」 ワムウはルイズを抱え、穴を無理やり広げながら外へ飛び出す。 そのまま身をかがめ、間一髪で雷撃をかわす。 「さすが僕のだったルイズ、機転が利くね。確かに風相手なら室内で戦うのは不利だろうね」 「誰があんたのルイズよ、あんたのものだったときなんて一秒たりともないわ!」 ワルドも同じように魔法で壁に穴をあけ、遍在たちが全員外に出てくる。 すかさず、ワムウが突っ込もうとするが、ルイズが止める。 「気持ちはわかるけど、あいつのいう通り力だけじゃ勝てないわ、あいつの能力を探るのよ… なんか、変な感じがするのよね」 「おう、俺っちも今までみた遍在とはなんか違う違和感を感じるぜ、なんだろうなあ」 遍在たちは詠唱を終え、魔法を放ってくる。ワムウはルイズを抱え、教会の上に飛び乗る。 「ねえ、ワムウ。遍在が背後から来たとき、なんか気配とか感じなかった?」 「全方位の風の動きを見ている。全員の体は風で動いているようだからな、普通に来たならわかるが、 あれは一瞬で先ほど倒した死体から『出現』したように感じた」 「死体…?そうよ、死体よ!おかしいのはそれよ!遍在は倒したら消えるはず、死体なんて残らないわ!」 「ご名答」 いつのまにか外に出ていた遍在が一人欠け、教会の中から飛び上がってくる。 「この距離ならかわせまいッ!ライトニング・クラウド!」 電撃が杖から放たれ、ルイズたちを襲う。 「相棒!俺であの魔法を防ぎやがれ!」 デルフの体が光る。 剣は雷撃を吸い取り、霧散させた。 「これが俺の本当のハンサムな姿さ!相棒、ちゃちな魔法なら全て吸い取ってやるぜ!」 デルフリンガーは今研がれたかのように、光り輝いていた。 「なるほど、それは便利だ」 ワムウはデルフリンガーをワルドに投げつける。 「そりゃないぜ相棒ぅーッ!」 ワルドの遍在はエア・ハンマーで弾こうとするが、風は吸い取られ遍在に深々と突き刺さる。 下のワルドの遍在が呟く。 「なるほど、ただの剣ではなかったようだな。さて、どうしたものか、面倒だ、降りてこい」 「いいだろう」 ワムウは飛び下りようとする。 「ワムウ、後ろよ!」 なんと、先ほど倒した遍在の背中から他の遍在達が出てくる。 「一斉にでてくるわァーーッ!」 遍在達は雷撃を一斉に放つ。 「ちょっと痛いけど、我慢しなさいよ!私は二回目なんだから!」 ルイズは杖を振り自分たちの目の前で爆発させる。 爆風でワムウたちは吹っ飛び、教会の下にワムウがルイズを抱え、着陸する。 「あれが、あいつの能力ね…」 ルイズが呟く。 「そう、ご名答…僕の能力を、僕と親しい者の間では『TATOO YOO!』と呼んで使っている。 たぶん君たちが察している通り、もちろんこれは魔法ではない。スタンドだ」 ルイズがワムウに耳打ちする。 「ねえワムウ、あの遍在の死体食えないの?」 「難しいな、食っている最中に中から雷撃を食らえば流石の俺でもダウンしかねん。そもそも 中で風が渦巻いてその魔料で動いているようだからな、食えるかどうかもわからん」 「じゃああの喋る剣で吸い取れないの?魔法なら吸い取れるんじゃないの?」 「教会の上の奴に刺さったままだな」 「しょうがないわね、なら一撃必殺よ」 教会の中の遍在の死体に移っていく。 僕の遍在は不思議なことだが、普通の遍在と違い、スタンド能力の影響だろうか、 なぜかやられても本体が魔法を解くまでは死体として残り続ける。 安全な距離から詠唱し、背中のタトゥーから腕だけ出して魔法を放つこともできる。 遍在を一体刺客として差し向け、遍在を倒して油断したところを暗殺する。 広範囲に遍在を散らばらせ、敵を見つけた途端に一カ所に遍在を集中させることもたやすい。 ノーリスクで強行偵察や背後からの攻撃や挟撃も思い通りだ。 派手さは無いが、一瞬で移動できる、というのはどんなことにも利く応用性を持っている。 ある軍人はこう言った。 『私の軍人としての一生の半分は、あの丘の先に敵がいるか悩み続けることであった』 僕は、その悩みを克服したも同然である以上、魔法衛士団の隊長などで燻っているべきではない。 レコン・キスタで戦果をあげて、権力と人脈を手に入れれば、母の死についてなにかわかるかもしれない。 そのためにも、残念なことであるが、僕の婚約者には死んでもらう必要がある。 運命と過去に立ち向かうには、これくらいの覚悟がなくてどうする、ワルド。 遍在を二体教会から出す。本体は中で待機させる。 ついでにひっつかんできた剣がカタカタ言っているが、無視する。 ルイズが、大きなハンマーを両手でぎこちなく構えているが、ワムウが見当たらない。 逃げたということは考えられない。周りは草原、隠れる場所などないし、 逃げるとしたら我々の軍の包囲に突っ込むことになる。もう少し言えば奴の性格からして ルイズを放って逃げる、というのは考えにくい。ルイズがワムウを連れて行くならともかく。 奴はなにか能力を隠していたのだろうか、透明になる能力、だろうか。 奴は風の流法を使うなどといっていた…確か透明になる魔法を水と風のスクウェアの一部が使った、 という話を聞いたことがある…水水水風、だっただろうか。 水蒸気を体にまとわせ、光を反射させることによってあたかもそこに人がいないように見せかける。 奴はメイジではないようだが、なにかおかしな能力を使う。そもそも人でない以上、先住魔法の 一つや二つ隠していても不思議ではない。ここは遍在を囮にして、様子を見てみるか・・・ ワルドは遍在を一体無防備に出す。 しかし教会の中に戻したもう一体の遍在が詠唱し続け、いつでも遍在の背中から攻撃をできるようにする。 「どうした、来ないのかね?ルイズ、ワムウ」 挑発してみるが、ルイズは杖を向けたまま動かず、ワムウも襲ってこない。 ルイズに魔法を放ってもいいが、正面から放つとなると尋常ではない速さで爆発が襲ってくる。 この距離で先に放てば、良くて相討ち、悪ければ無駄死にだろう。 さすがに遍在をここで意味もなく失うというのは少々辛くなってくる。 ならば、背後から攻め落としてやろう。 教会の上に本体を一体出す。 背後から奇襲するため、詠唱中でフライを使えないのは困る。 多少危険だが、教会の中に本体を放置しておくよりはマシだろう。 あの破壊力で透明なら数体犠牲にしなければ止められない。 教会に入ってきて1/3で自分がやられるってのは御免被りたい。 一発囮の遍在に軽く魔法を放たせ、その隙にフライで背後の木へ飛び移る。 上手くルイズの反撃をかわせたようだ、詠唱をさせる。 ワムウを殺せないのは少々後が怖いが、現在の目的はルイズごと手紙を奪う事だ。 ルイズを後ろから抱え、他の遍在のタトゥーにルイズごと移動すればいい。 おそらく、どこかにワムウが潜んでいるのだろうが、僕にスタンドならば逃げおおせることは容易。 意を決して、背後からルイズに飛び掛かる。 「闘技…『神砂嵐』!」 体がズタズタにされる。至る所の骨が折れる。腕が動かない。杖も振れない。 夥しい量の血が出てくる。足はピクリとも動かない。肩の筋が裂ける。 ワムウはルイズのすぐ近くに潜んでいた。 近くというか、目を疑った。ワムウは、ルイズの『中』に潜んでいた。 まだ生きているのは幸運だろうか、ワムウの剣が盾となったのか。 あれだけの威力の攻撃を受けたというのに、傷一つついていない。 ルイズとワムウが迫ってくる。 精神力を振り絞って、スタンドを発動させ、移動する。 ルイズは、ワムウを体の中に潜ませていた。 ワムウが吸血馬の中に潜んでいたように、モットの屋敷で衛士に潜んでいたように、 ルイズの体にワムウを潜ませていた。 「血が出るってことは、いきなり当たりみたいね」 ルイズ達は、ボロ雑巾のようになったワルドの本体に近づいていく。 後ろから雷撃が飛んでくるが、距離がありすぎた。苦もなくかわす。 視界をワルドに戻すと、ワルドは消えていた。 グリフォンが教会に突っ込み、ワルドの遍在が本体を抱え、逃げ出していく。 「どうやら、逃げられたみたいね」 「飛ばれてはどうにもならん、口惜しいが逃がすしかないな。だが、かなり強い者であった。 精神は戦士とはほど遠いが、雪辱戦で向かってくるときが待ち遠しいな」 「雷撃食らってフラフラになってるってのに、あんたらしいわね。足が痺れて『神砂嵐』が 放てない、っていうから体貸してあげたくらいなのに」 「まあいい、だいたい治った。とにかく正門に急ぐぞ」 「待って」 ルイズがウェールズの骸の横に座り込む。 ワムウも覗き込むと、ワムウの持っている指輪と虹を作る。 「…姫さまのために、持っていかせてもらいましょう」 ルイズは指輪を綺麗な指から引き抜き、手紙と一緒にしまいこんだ。 ギーシュは精神力が尽き、見よう見まねで倒れた味方の銃を撃っていた。 「やれやれ、まさか貴族だってのに銃を撃ち続ける羽目になるとはね」 正門の兵士も武器が尽き始め、もう敵は目前に迫っていた。 タバサとキュルケももうドットクラスの魔法すら散発的にしか撃てない。 ダービーはもうタダ同然で武器を売りさばいている。 「やれやれ、遅いぞワムウ君」 ギーシュが汗だくになりながら声をかける。 「シャチさんは?」 「けっこう前にパリーさんと一緒に港に行ったわ、なにやるのかしら」 「どうやって脱出するのよ」 「そこはもう考えてないわよ、シルフィードが飛び立てるようなそこの庭にでてったら 数十秒で蜂の巣ね、泥船だとわかってて乗り掛かったんだから諦めなさい」 死守するよう言われた橋に敵が一斉に雪崩込んでくる。 「橋は落とさないのか」 「私たちに言わないでよ、落とすのは待ってくれって言ってたし」 キュルケも首をかしげながら言う。 そのとき、ルイズが気づいた。 「ねえ、あの船、私たちが乗ってきた貨物船よね?」 斜め上を見ると、貨物船が進んでいる。 パリーとシャチも乗っている。 貴族派も気づいたのか、上空に向けて攻撃をし始め、貨物船が火を噴き始める。 「確か、硫黄を積んだままだったわよね、まさか…」 ルイズが感づく。 貨物船は火を噴きつつも、落下の勢いと出力を全開にし、どんどん加速していく。 「アルビオン王家の誇りよ、精神よ!永遠なれ!」 敵が雪崩込んできた橋に火の秘薬を積み込んだ貨物船が突っ込み、橋と貴族派の兵士が音を立てて 崩れ落ちていく。轟音をたてて貨物船は爆発した。 「シャチさん…」 ルイズが漏らす。 タバサが口笛を鳴らす。 「申し訳ないけど時間がない、脱出する」 シルフィードが城の中から這い出すように飛び、中庭に着陸する。 ルイズ、キュルケ、タバサ、ギーシュ、ダービーが乗り込むが、ワムウは乗り込まない。 ルイズはいいたい事を察する。 「ワムウ、これはアルビオン王家の戦いなの。それに私たち客人が水をさし続けるわけには いかないのよ、命を賭けて脱出の時間を作ってくれた彼らの意志を無駄にする気?」 ワムウは、銃を構えた貴族派の兵士に石をぶつけ、シルフィードに乗り込む。 一行は、ニューカッスル城を脱出した。 To Be Continued...
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ント小ネタ あれは何なんだろう? 爆発の煙が晴れてようやく見えてきたのは、赤くてウサギの耳みたいなのがついたちっちゃいゴーレムみたいなもの。 というより、動くのこれ? 私、錬金使えないのよ!? 「おい、ルイズが変なゴーレム召喚したぞ」 「どうせ動かせないんだから意味ないじゃん」 黙れ外野! ……落ち着くのよルイズ。今は外野に構っている時間はないわ。とりあえず、現状を確認すると 1・召喚には成功した。 2・でも動かない。 3・生物じゃない=使い魔として機能しない。 ……うん。現状確認終了。次にやることは決まっているわね。 「ミスタ・コル――」 「契約しなさい」 即答!? ……いえ、諦めては駄目よルイズ。一生がかかっているんだから。 つまりはもう一度、サモン・サーヴァントを行えるように説得すればいいのよね。この使い魔(仮)はゴーレム。つまり、生きていない。 「……あのー」 新しい使い魔を召喚するためには前の使い魔が死ななきゃいけないけど、これはそもそも生きてないわ。 「……すいません」 ならば、これは単なる失敗。サモン・サーヴァントは失敗したのよ。つまり、もう一度サモン・サーヴァントを行えるって事よね! よし、これで行くわよ! 「お、お願いします。気付いて下さい~」 「さっきからうるさいわよ! 一体なんなの……よ?」 あれ? 気がつくと回りのみんなが下がって杖を構えている。青い髪の娘なんかは後ろに氷の槍まで待機させてるし。 「いったい、どうしたのかしら?」 「そ、それが僕にも分からなくて……」 「「うーん……」」 とここで気付いた。今、私は誰と話しているのだろう? 声はすぐ隣からしているのだが、確か全員、私から離れている筈だ。 「…………」 なるべく驚かないように恐る恐る、隣を見てみると、そこには先ほどの赤いゴーレム。右手を顎(?)に当てて、何でだろう? という感じで首(?)を傾げている。 うん、ぶっちゃけ動いてた。 そして、そんな私の視線に気付いたのか、赤いゴーレムは、慌てて頭をこちらに下げてきた。 「あ、おはようございます。僕はロボまるっていいます!」 それからが大変だった。ロボまるに敵意が無いと分かるやいなや、ミスタ・ツルッパゲがロボまるを解体しようとするわ、青い髪の娘――タバサがロボまるを気に入りさりげなく奪おうとするわ、ロボまるの人気(主に女子からの)に嫉妬したギーシュが「僕のゴーレムの方が強い」とか言いながらいきなり決闘を申し込むわ、返り討ちにあうわ、ロボまるの最も効率の良い食事が「竜の血」と呼ばれる物だという事が判明し、またハゲが暴走するわ、フーケのゴーレムを倒すわ、ワルド倒すわ、レコンキスタを一緒に倒すわ、進化するわ……。 とにかく、いろいろな事があった。今では私も魔法を使えるようになった。私の使い魔 のロボまるも今やカスタまるとなり、伝説のガンダルーヴとして使い魔達の憧れの的になっているそうだ。 最近はロボまるの任務が多くて離ればなれになる事が多いけど、いつも心は一つ。 「ロボまる! 私の詠晶の時間を稼いで!」 「うん、分かったよルイズ!」 ファイアナックル!! 完 -「ロボットポンコッツ」のロボまるを召喚 小ネタ
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戦国無双2猛将伝より、長曾我部元親(クリア後)を召喚 凄絶な使い魔‐01 凄絶な使い魔‐02 凄絶な使い魔‐03 凄絶な使い魔‐04 凄絶な使い魔‐05 凄絶な使い魔‐06 凄絶な使い魔‐07 凄絶な使い魔‐08 凄絶な使い魔‐09
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【作品名】戦女神VERITA 【ジャンル】ファンタジーRPG 【名前】使い魔リリィ(幼少期) 【属性】幼女 【大きさ】一般的な小学一年生並み 【攻撃力】ねこぱんち:威力は幼女のぱんちくらい 【防御力】幼女並み 【素早さ】幼女並み 【特殊能力】性魔術により相手の性気を奪うことで自身を強化できる。 【長所】まおーさまの優秀な使い魔。 【短所】すぐやられる上によく転ぶ。犯人はヤス。 【戦法】ねこぱんち、でも転ぶ。
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使い魔とは 種族関係なくキャラクター1人につき1体ついている、 生まれた瞬間に特別な力によって決まるパートナーの動物です。 ごく稀に使い魔憑きではない人もいるようです。 使い魔の寿命=キャラクターの寿命。 魔力を持っているので会話や人の姿に変化できるタイプも。 .
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亡霊の使い魔/Minion of Ghost 亡霊の使い魔 (1)(B) クリーチャー ― スピリット・式 亡霊の使い魔は人間でないクリーチャーによってブロックされず、 人間でないクリーチャーのブロックに参加できない。 (B):亡霊の使い魔を再生する。 1/1 コモン 永夜抄の各色に存在する、使い魔サイクルの黒版。 サイクル共通で、人間にしかブロックされず、人間しかブロックできないという特性を持つ。 除去耐性はなかなか。再生を利用したブロッカーにはなりにくいので注意。 参考 使い魔サイクル : 人間の使い魔 兎の使い魔 亡霊の使い魔 不死鳥の使い魔 蟲の使い魔 カードセット一覧/東方永夜抄 クリーチャー コモン スピリット 対除去 式 東方永夜抄 黒 2マナ
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『NINKU―忍空―』から、キャラ『風助』を召喚。 原作FIRST STAGE終了後、釈迦の証を所持している状態です。 1章 輝きは君の中に 風の使い魔-01 風の使い魔-02a/b 風の使い魔-03a/b 風の使い魔-04a/b/c/d
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ザ・ドラえもんズのエル・マタドーラが召喚される話。 ドラが使い魔-1 ドラが使い魔-2 フーケの使い魔 ドラが使い魔-3 ドラが使い魔-4 ドラが使い魔-5 ドラが使い魔-6 ドラが使い魔-7 前編 王銅鑼漫遊記